セクシュアリティ診断|わからないを整理する15問チェック
自分のセクシュアリティがわからないときに、15問のセルフチェックで現在地を整理します。性的惹かれ・恋愛的惹かれ・ジェンダーの3軸で分析し、結果パターンの読み解き方、診断結果に違和感があるときの対処法、次の一歩まで当事者視点で詳しく解説します。
「診断をしてみたけれど結果がしっくりこない」「複数のラベルに揺れてしまう」——セクシュアリティがわからないと感じる人が実際に困っているのは、情報の少なさではなく、自分のどこを見ればいいのかがわからないことです。
ここでは性的惹かれ・恋愛的惹かれ・ジェンダーアイデンティティの3軸にまつわる15問のセルフチェックで、あなたの現在地を可視化します。
セクシュアリティが「わからない」のは普通です
自分のセクシュアリティに確信を持っていない人は、実はかなり多数派です。電通「LGBTQ+調査2023」によれば、日本の成人のうち性的マイノリティに該当する人は9.7%を占めますが、その内訳には「決めていない・わからない」と答えた層も含まれています。
「わからない」と感じる主な背景は3つあります。
- 経験不足:恋愛・性的な経験そのものが少なく、判断材料が揃っていない
- ラベルの不一致:既存のセクシュアリティ名を見ても、どれも自分にぴったり当てはまらない
- 流動性:セクシュアリティは固定されたものではなく、数年単位で感じ方が変わることがある
どれも異常なことではありません。焦って結論を出す必要はなく、「現時点の傾向」を掴むだけでも十分に価値があります。
セクシュアリティを構成する3つの軸
セクシュアリティを一枚岩として考えると、どうしても「わからない」の堂々巡りになります。以下の3軸に分けると、自分のどの部分が揺れていて、どの部分がはっきりしているのかが見えてきます。
| 軸 | 内容 | 代表的なセクシュアリティ |
|---|---|---|
| 性的惹かれ(Sexual Attraction) | 誰に対して性的な欲求を感じるか | ヘテロ・ゲイ・レズビアン・バイ・アセクシャル・パン |
| 恋愛的惹かれ(Romantic Attraction) | 誰に対して恋愛感情を抱くか | ヘテロロマンティック・ホモロマンティック・バイロマンティック・アロマンティック |
| ジェンダーアイデンティティ | 自分の性別をどう認識しているか | 男性・女性・ノンバイナリー・Xジェンダー |
この3軸は独立しているため、組み合わせは掛け算で広がります。たとえば「女性に恋愛感情を抱くが性的欲求は感じない、自分の性別認識は女性」であれば、ホモロマンティック・アセクシャル・シス女性という3軸の組み合わせで整理できます。
「性的惹かれだけ明確で、恋愛的惹かれは揺れている」ような部分的な理解も、そのまま保留して構いません。
【15問セルフチェック】3軸であなたを整理する
以下の15問に「はい / どちらでもない / いいえ」の3択で答えてください。メモアプリや紙に記録しながら進めると、後で振り返りやすくなります。
Part 1:性的惹かれを確認する5問
- 異性(自分と違う性別の人)に対して、性的に惹かれることがある
- 同性(自分と同じ性別の人)に対して、性的に惹かれることがある
- 性別に関係なく、人に対して性的に惹かれることがある
- 誰に対しても性的欲求を感じず、それが自然だと思う
- 深い信頼関係を築いた相手にだけ、性的に惹かれる
Part 2:恋愛的惹かれを確認する5問
- 異性に対して、恋愛感情を抱くことがある
- 同性に対して、恋愛感情を抱くことがある
- 性別に関係なく、相手の人柄に恋愛感情を抱く
- 「誰かと付き合いたい」という気持ち自体が、ほとんどわかない
- 性的欲求と恋愛感情は、自分の中で別々に動いている実感がある
Part 3:ジェンダーアイデンティティを確認する5問
- 出生時に割り当てられた性別に、違和感なく過ごしている
- 自分の性別は「男性でも女性でもない」または「両方」だと感じる
- 自分の性別認識は、時期や状況によって揺れることがある
- 「女性らしく / 男性らしく」という期待がつらいと感じることがある
- 身体の性別と、自分の内面の性別が一致しないと感じる
結果パターンの読み解き方
「はい」がついた項目を軸ごとに見直して、どの方向に傾いているかを確認します。複数の軸で「はい」や「どちらでもない」が出ても構いません。むしろそれが現実的な結果です。
パターン別:近いセクシャリティの候補
Part 2 4番にはい(恋愛感情がわかない) → アロマンティック傾向/5番にはい(性と恋愛が分離) → ノンセクシャルの可能性あり
注意点は、Part 1とPart 2の結果が一致しないケースが珍しくないことです。「同性に恋愛感情はあるが性的欲求は異性にしかわかない」「性的には両性OKだが恋愛は異性限定」——こうした組み合わせはどれもあり得ます。
どれにも当てはまらない場合(Questioning)
15問のうち「どちらでもない」が半数以上だったり、どの軸でも決め切れない場合は、クエスチョニングという在り方が最も近い可能性があります。
クエスチョニングは「決められない / 決めたくない」ことを示すセクシュアリティであり、明確なラベルを選ばずに自分を言語化する選択肢です。ネガティブな意味はまったくありません。
診断結果がしっくりこないときの対処法
オンライン診断や本セルフチェックで出た結果に違和感を覚える人は、少なくありません。「アセクシャルと出たけれど実際には性的欲求がある」「ゲイ傾向と出たけれど異性にも惹かれた経験がある」——こうした違和感は、診断の精度不足ではなくあなた自身の感覚の方が正しいサインです。
対処のステップは3段階です。
- 違和感を言語化する:どの質問で「違うな」と感じたのかをメモに残します。違和感の言語化が、自分のセクシュアリティを精度高く掴む最短ルートです
- 結果を「候補」として扱う:診断結果は確定診断ではなく候補の一つです。複数の診断ツールを試して、共通点を探す使い方が有効です
- 時間を味方にする:1ヶ月〜半年の間、自分の感情の動きを観察します。推しに対する気持ち、恋愛コンテンツへの反応、人間関係での違和感——日常の反応が最も確実な判断材料です
セルフチェックの次にやる3ステップ
15問で現在地を掴んだら、次に踏める具体的なアクションがあります。
- インタラクティブ診断で再確認:Paceの12問セクシュアリティ診断ツールを使うと、別の切り口から結果を確認できます。複数ツールで共通して出る傾向が、あなたの核に近い傾向です
- より詳しい解説記事を読む:結果パターンで近いと感じたセクシュアリティの解説記事(LGBTQ種類一覧から辿れます)を読んで、当事者の体験や用語の定義を深掘りします
- 安全な場で話す:ひとりで抱え込むと答えが出にくくなります。信頼できる友人や、よりそいホットライン(0120-279-338)のLGBT専門ラインに相談するのも有効です
外部の大手診断ツールを試したい場合は、以下の2つが代表的です。どちらも無料で利用できます。
JobRainbowセクシュアリティ診断
所要時間 約10分 4軸 × 動物キャラクター結果
累計170万人以上が利用。こころの性・ふるまう性・性的指向・恋愛指向の4軸で診断し、30種類以上の動物キャラクターに結果を置き換えて可視化します。
anone,(アノネ)
所要時間 約10分 2,000通りの組み合わせ分析
66問の質問から2,000通りのセクシュアリティパターンを分析する、精度重視の診断ツール。パーセンテージで傾向の強弱も表示されます。
よくある質問
Q: 診断結果とセルフチェック結果が違ったらどちらが正しいですか?
どちらが絶対的に正しいということはありません。両方の結果を「あなたのセクシュアリティを説明する仮説」として扱い、より腹落ちする方、または両方に共通する傾向を自己理解の起点にするのがおすすめです。
Q: 結果が「どちらでもない」ばかりで判定できません
「どちらでもない」が多いのは、判断材料が不足している状態を示しています。焦って答えを出すよりも、日常の中で自分の反応を観察する期間を設けたほうが精度が上がります。クエスチョニングというあり方を選ぶ人も多くいます。
Q: セクシュアリティは後から変わることがありますか?
変わることがあります。アメリカ心理学会などの研究でも、セクシュアリティは生涯を通じて流動的に変化する可能性があると指摘されています。10代で自認したセクシュアリティが30代で揺らぐケースも珍しくないため、定期的に自分を確認する姿勢が重要です。
Q: パートナーがいる場合、診断結果をどう伝えればいいですか?
必ずしも診断結果をそのまま伝える必要はありません。「自分を整理している途中で、今はこういう感覚がある」という形で、現在進行形の状態として共有する方が、パートナーも受け止めやすい傾向があります。急いで結論を決めずに、対話を重ねる時間を取ってください。
Q: カミングアウトをするかどうか、この診断で決めていいですか?
セルフチェックの結果だけでカミングアウトを決めるのは推奨しません。結果はあくまで自己理解の仮説であり、周囲に伝えるかどうかは、環境や人間関係の安全性を別途判断する必要があります。
Q: 「セクシュアリティ」と「セクシャリティ」はどちらが正しいですか?
どちらも同じ意味で使われています。英語のsexualityをカタカナ表記した際の揺れで、日本のLGBTQ関連メディアでは両方の表記が混在しています。Paceでは検索ニーズに合わせて両方の表記を併用しています。
自分を知るための最初の一歩
セクシュアリティがわからないときに必要なのは、確定的な答えではなく、今の自分を言語化するための道具です。15問のセルフチェックで出た「傾向」と「揺れ」を、そのまま次の一歩の材料にしてください。


