LGBTQの種類一覧|セクシャリティ完全解説
LGBTQ の種類と各セクシャリティの意味を一覧で網羅的に解説する。L・G・B・T・Qの基本5分類に加え、アセクシャル・パンセクシャル・デミセクシャル・ノンバイナリーなど代表的なセクシャリティの定義とジェンダーアイデンティティとの違いを比較表で整理する。
LGBTQは5つの頭文字に過ぎない。実際のセクシャリティの種類は、これをはるかに超える。
「自分はLGBTQのどれにも当てはまらない気がする」と感じる人がいるのは当然だ。この記事では、LGBTQの基本から、それだけではカバーしきれないセクシャリティの全体像を一覧で整理する。
LGBTQの各文字の意味
LGBTQは、代表的な5つのセクシャリティ・ジェンダーの頭文字を取った総称である。まずはそれぞれの意味を押さえておこう。
L(レズビアン)
女性として女性に恋愛感情や性的魅力を感じる人。女性同性愛者を指す。
G(ゲイ)
男性として男性に恋愛感情や性的魅力を感じる人。男性同性愛者を指す。広義では同性愛者全般を指すこともある。
B(バイセクシャル)
男性・女性の両方に恋愛感情や性的魅力を感じる人。惹かれる割合は人によって異なり、50:50である必要はない。バイセクシャルのカミングアウトで当事者特有の悩みについても詳しく解説している。
T(トランスジェンダー)
出生時に割り当てられた性別と、自分が認識する性別(性自認)が一致しない人。性的指向とは別の概念で、トランスジェンダーの人がゲイやレズビアン、バイセクシャルである場合もある。
Q(クィア/クエスチョニング)
Qには二つの意味がある。クィアは既存の性別や性的指向の枠組みに当てはまらない人の総称。クエスチョニングは自分のセクシャリティやジェンダーを探っている最中の人を指す。
LGBTQ以外のセクシャリティ一覧
LGBTQの5文字だけでは、人間のセクシャリティの多様さは表現しきれない。以下は主要なセクシャリティの一覧である。ここが最も重要な情報なので、じっくり確認してほしい。
性的指向(誰に惹かれるか)
| 名称 | 定義 |
|---|---|
| アセクシャル | 他者に対して性的魅力をほとんど、またはまったく感じない。恋愛感情の有無とは別の概念。詳しくはこちら |
| パンセクシャル | 相手の性別やジェンダーに関係なく、人として惹かれる。詳しくはこちら |
| デミセクシャル | 強い感情的なつながりが生まれてから初めて性的魅力を感じる |
| ノンセクシャル | 他者に性的魅力を感じないが、恋愛感情は持つ。日本独自の用語 |
| グレーセクシャル | 性的魅力をまれに、または特定の条件下でのみ感じる。アセクシャルのスペクトラム上に位置する |
| オムニセクシャル | すべてのジェンダーに惹かれるが、ジェンダーによって惹かれ方に違いがある。パンセクシャルとの違いはジェンダーを認識する点 |
| サピオセクシャル | 知性や思考力に性的魅力を感じる。外見よりも知的な会話に惹かれる |
| リスセクシャル | 性的妄想は持つが、実際の性的行為を望まない |
恋愛的指向(誰に恋愛感情を持つか)
| 名称 | 定義 |
|---|---|
| アロマンティック | 他者に恋愛感情をほとんど、またはまったく持たない。性的魅力を感じるかどうかとは別の軸 |
| デミロマンティック | 深い信頼関係が築かれてから初めて恋愛感情を抱く |
| グレーロマンティック | 恋愛感情をまれに、または弱く感じる |
ジェンダーアイデンティティ(自分をどの性別と認識するか)
| 名称 | 定義 |
|---|---|
| ノンバイナリー | 男性・女性のどちらにも完全には当てはまらない性自認を持つ人 |
| Xジェンダー | 日本独自の用語で、男女の枠に当てはまらない性自認の総称。ノンバイナリーと重なる部分が多い |
| ジェンダーフルイド | 性自認が固定的ではなく、時期や状況によって流動的に変化する |
| アジェンダー | 特定のジェンダーに帰属意識を持たない。「無性」と表現されることもある |
| トゥースピリット | 北米先住民の文化に由来する概念。男性と女性の両方のスピリットを持つとされる |
| インターセックス(I) | 生まれつき、典型的な男性・女性の身体的特徴の両方を持つ人。LGBTQIA+の「I」にあたる |
関係性のあり方
| 名称 | 定義 |
|---|---|
| ポリアモリー | 関係者全員の合意のもとで複数の人と恋愛関係を持つ関係性のあり方。浮気とは根本的に異なる |
その他・自己認識
| 名称 | 定義 |
|---|---|
| クエスチョニング | 自分のセクシャリティやジェンダーがまだ定まっていない、または意図的に決めていない状態。わからないままでいい |
| アライ(Ally) | LGBTQ+当事者ではないが、理解し支援する人。LGBTQIA+の「A」に含まれることもある |
アセクシャルやノンセクシャルの人にとって、恋愛や結婚の形は一般的なイメージと異なることがある。友情結婚という選択肢も視野に入れてみてほしい。
セクシャリティを理解する4つの軸
セクシャリティは1つの指標では表せない。以下の4つの軸を独立して理解することが、多様性を正しく捉える第一歩になる。
| 軸 | 何を表すか | 例 |
|---|---|---|
| 身体的性(Sex) | 生まれたときの生物学的な身体の特徴 | 男性、女性、インターセックス |
| 性自認(Gender Identity) | 自分をどの性別と認識するか | 男性、女性、ノンバイナリー、Xジェンダー、アジェンダー |
| 性的指向(Sexual Orientation) | 誰に性的に惹かれるか | ゲイ、レズビアン、バイセクシャル、アセクシャル |
| 性表現(Gender Expression) | どのように性別を外見や行動で表現するか | 男性的、女性的、中性的、アンドロジナス |
重要: これら4つは完全に独立した軸だ。例えば「身体的に男性で、性自認は女性で、性的指向はレズビアン」というケースも存在する。どの軸の組み合わせも「正常」であり、特定の組み合わせだけが正しいわけではない。
身体的性別との違い
さらに「身体的性別(Sex)」は生物学的な特徴を指し、性自認とも性的指向とも別の概念である。つまり、人のセクシャリティは**「身体」「心(性自認)」「惹かれる方向」**の少なくとも3つの軸で構成されている。
「自分がわからない」人へ
ここまで読んで「自分はどれにも完全には当てはまらない」と感じた人もいるかもしれない。それは何もおかしなことではない。
セクシャリティは流動的で、時間とともに変化することもある。ラベルに自分を当てはめる必要はなく、ラベルが自分に合うかどうかを試してみるくらいの距離感でいい。
「今はわからない」も立派な答えだ。クエスチョニングという言葉が存在すること自体が、その証明になっている。
自分の傾向を整理してみたい人は、セクシャリティ診断を試してみるのも一つの方法だ。結果はあくまで参考であり、あなたのセクシャリティを決めるのはあなた自身である。
カミングアウトについて悩んでいるなら、カミングアウトのタイミングと伝え方も参考にしてほしい。
よくある質問
Q: LGBTQの「+」は何を意味しますか?
LGBTQ+の「+」は、LGBTQの5文字に含まれないすべてのセクシャリティやジェンダーアイデンティティを包括する記号である。アセクシャル、パンセクシャル、ノンバイナリーなど、本記事で紹介したものはすべてこの「+」に含まれる。
Q: セクシャリティは途中で変わることがありますか?
ある。セクシャリティは固定的なものではなく、人生のなかで変化することがある。10代で感じていたことと30代で感じることが異なっていても、どちらも「本物」だ。
Q: ノンセクシャルとアセクシャルの違いは何ですか?
アセクシャルは性的魅力を感じないことを指す広い概念で、恋愛感情の有無は問わない。ノンセクシャルは性的魅力は感じないが恋愛感情は持つ人を指すことが多く、アセクシャルのなかでもロマンティック指向を持つタイプに近い。
Q: 自分のセクシャリティを知る方法はありますか?
「これが正解」という診断方法はないが、自分がどんな人にどのように惹かれるか(または惹かれないか)を振り返ることが手がかりになる。セクシャリティ診断で傾向を整理してみるのもおすすめだ。
まとめ
LGBTQは多様なセクシャリティのほんの入り口に過ぎない。アセクシャル、パンセクシャル、デミセクシャル、ノンバイナリーなど、人の性のあり方は一つの枠組みでは到底収まらない。
大切なのは、すべてのセクシャリティを暗記することではなく、「自分が知っている以上の多様性が存在する」という前提を持つことだ。そして自分自身のセクシャリティについては、ラベルに縛られる必要はない。しっくりくる言葉が見つかればそれを使えばいいし、見つからなければ「まだ探している途中」でいい。
当事者でなくても、理解し支援するアライ(Ally)という関わり方もある。