友情結婚とは?メリット・デメリットから始め方まで完全ガイド
友情結婚とは恋愛感情や性的関係を前提としない結婚の形。定義・メリット・デメリット・偽装結婚との法的な違い・友情結婚向けサービスの料金比較と始め方を網羅的に解説します。
「友情結婚」という言葉を聞いたことはあっても、実際にどんなものなのか、よくわからないという人は多いのではないでしょうか。
恋愛感情や性的な関係を前提としない結婚の形として、近年注目を集めている友情結婚。アセクシャルやゲイ、レズビアンの方をはじめ、「従来の結婚の形は自分に合わない」と感じている人にとって、現実的な選択肢になりつつあります。
この記事では、友情結婚の定義から、メリット・デメリット、偽装結婚との違い、具体的な始め方までを網羅的に解説します。
友情結婚とは
定義
友情結婚とは、恋愛感情や性的関係を前提とせず、友情や信頼関係をベースにパートナーシップを築く結婚のことです。法律上は通常の婚姻届を提出する正式な結婚であり、法的な権利・義務は一般的な結婚と同じです。
歴史と背景
友情結婚という概念自体は古くから存在していましたが、日本で広く認知されるようになったのは2010年代以降です。2015年には日本初の友情結婚専門の相談所「カラーズ」(出典: カラーズ公式サイト)が設立され、友情結婚という選択肢が具体的なサービスとして提供されるようになりました。
背景には、セクシュアリティの多様性に対する社会的な理解の広がりがあります。同性婚が法制化されていない日本では、法的保護を得るための現実的な手段として友情結婚を選ぶ人も少なくありません。
なぜ友情結婚を選ぶのか
友情結婚を選ぶ理由はさまざまですが、共通しているのは**「既存の結婚の枠組みが自分のセクシュアリティや価値観に合わない」**という点です。
- 恋愛感情を持たない(アロマンティック)が、人生のパートナーは欲しい
- 性的関係に抵抗がある(アセクシャル)が、家庭を築きたい
- 同性パートナーがいるが、法的保護のために異性との婚姻関係が必要
- 社会的なプレッシャーから結婚を求められているが、恋愛結婚は難しい
友情結婚と一般的な結婚の違い
| 項目 | 友情結婚 | 一般的な結婚 |
|---|---|---|
| 感情の基盤 | 友情・信頼・尊重 | 恋愛感情 |
| 性的関係 | 原則なし(当事者間の合意次第) | あることが多い |
| 法的地位 | 婚姻届を提出する正式な婚姻 | 同じ |
| 法的権利 | 同一(相続、扶養、保険等) | 同一 |
| 子どもの有無 | 当事者間の合意で決定 | 同様 |
| 同居の有無 | 同居・別居は当事者間の合意 | 同居が一般的 |
法律上の違いはありません。違いは関係性の前提にあります。友情結婚では、恋愛や性的関係を求めないことをお互いが理解・合意した上で婚姻関係を結びます。
友情結婚を選ぶ人はどんな人か
友情結婚は特定のセクシュアリティに限定されるものではありませんが、以下のような方が多く利用しています。
アセクシャル・アロマンティック
他者に対して性的な魅力を感じない(アセクシャル)、または恋愛感情を持たない(アロマンティック)方にとって、恋愛や性的関係を前提としない友情結婚は自然な選択肢です。恋愛感情はあるが性的欲求がないノンセクシャルの方にも向いています。自分のセクシュアリティについて詳しく知りたい方は、セクシュアリティ診断も参考にしてみてください。
ゲイ・レズビアン
日本では同性婚が法制化されていないため、同性パートナーがいるゲイやレズビアンの方が、法的保護や社会的承認を得るために異性の理解者と友情結婚を選ぶケースがあります。友情結婚相談所カラーズの会員構成を見ると、男女比は約45:55で、ゲイやレズビアンの方も多く利用しています。
ノンセクシュアル
恋愛感情はあるが性的関係を求めない方も、友情結婚を検討する層の一つです。
その他
性的トラウマを抱えている方、宗教的な理由で婚前交渉を避けたい方、純粋に経済的・実務的なパートナーシップを求めている方なども含まれます。
友情結婚のメリット5つ
1. 法的保護が得られる
婚姻届を提出することで、配偶者としての法的権利を得られます。相続権、医療同意権、税制上の配偶者控除、社会保険の扶養など、事実婚やパートナーシップ制度ではカバーしきれない保護を受けることができます。
2. 社会的承認が得られる
日本社会では「既婚」であることが一定の社会的信用につながる場面が依然としてあります。職場や親族関係において、結婚しているかどうかで対応が変わることも少なくありません。友情結婚は、本人の望まない恋愛関係を強いられることなく社会的承認を得る手段になります。
3. 経済的な安定
家賃や生活費の折半、配偶者控除の適用、健康保険の扶養加入など、経済面でのメリットがあります。特に一人暮らしのコストが高い都市部では、信頼できるパートナーとの共同生活による経済的メリットは大きいです。
4. 孤独の解消
人生を通じて支え合えるパートナーの存在は、精神的な安定に大きく寄与します。恋愛感情がなくても、信頼関係に基づくパートナーシップは孤独感を和らげてくれます。
5. 子育てという選択肢
友情結婚の当事者間で合意すれば、子どもを持つことも可能です。養子縁組や生殖医療を利用するケースもあります。法的に婚姻関係にあることで、養子縁組の手続きがスムーズになるというメリットもあります。
友情結婚のデメリット・注意点
友情結婚にはデメリットもあります。主なものは以下の5つです。
- 法的保護の限界(離婚時の慰謝料基準が曖昧)
- 感情の変化リスク(一方が恋愛相手を見つけた場合)
- 周囲の理解を得る難しさ
- 子どもに関する合意形成の複雑さ
- 関係解消(離婚)の負担
各デメリットの詳細と具体的な対策は、友情結婚のデメリットと注意点|後悔しないために知っておくべきことで詳しく解説しています。
契約結婚・偽装結婚との違い
友情結婚と混同されやすい概念を整理します。
| 種類 | 定義 | 法的位置づけ |
|---|---|---|
| 友情結婚 | 恋愛・性的関係を前提とせず、友情ベースで行う正式な婚姻 | 合法 |
| 契約結婚 | 結婚生活のルールを事前に文書で取り決めた上で行う婚姻 | 合法(友情結婚と重なることも多い) |
| 偽装結婚 | 在留資格の取得など不正な目的で行う虚偽の婚姻 | 違法(刑法157条 公正証書原本不実記載罪) |
友情結婚は完全に合法です。 当事者双方が婚姻の意思を持ち、共同生活の実態(または計画)がある限り、恋愛感情の有無は法的に問われません。
一方、偽装結婚はビザの取得や保険金詐欺など不正な目的で婚姻届を提出する行為であり、刑事罰の対象になります。友情結婚とは根本的に異なるものです。
友情結婚の始め方
友情結婚のパートナーを探す方法は主に3つあります。
1. 友情結婚専門の相談所を利用する
最も確実な方法は、友情結婚に特化した相談所を利用することです。
日本初の友情結婚専門相談所「カラーズ」では、累計700人以上の成婚実績があります(出典: カラーズ公式サイト)。料金や特徴の詳細は友情結婚相談所おすすめ比較を参照してください。
2. 友情結婚向けアプリ・サービスを利用する
より手軽に始めたい場合は、アプリやオンラインサービスの利用もあります。
- FrieMa+: カラーズがプロデュースする友情結婚マッチングサービス。相談所のノウハウを活かしたアプリ型サービスです
- LIKE: 2023年12月にリリースされた友情結婚・パートナーシップ向けアプリ。10,000ユーザーを突破しています
- Cosy: LGBTQ+フレンドリーなマッチングアプリとして利用可能
友情結婚向けのマッチングサービスの比較もぜひ参考にしてください。
3. 個人的なつながりから探す
LGBTQ+コミュニティのイベントやSNSを通じて、友情結婚に関心のある人と出会うケースもあります。ただし、条件の擦り合わせやトラブル対応を自分たちで行う必要があるため、法的な取り決め(公正証書の作成等)は特に重要になります。
よくある質問
Q: 友情結婚は法律的に問題ないですか?
はい、完全に合法です。日本の民法では婚姻の条件として「恋愛感情」は要件に含まれていません。婚姻意思があり、婚姻届が受理されれば有効な婚姻です。
Q: 友情結婚で子どもを持つことはできますか?
可能です。当事者間で合意した上で、自然妊娠・生殖医療・養子縁組など方法はさまざまです。法的に婚姻関係にあることで、子どもの法的地位が安定するメリットもあります。
Q: 友情結婚の相手とは同居しなければいけませんか?
法律上、夫婦には同居義務(民法752条)がありますが、当事者間の合意で別居することは実務上問題ありません。別居スタイルを選ぶカップルもいます。
Q: 友情結婚を解消(離婚)するときはどうなりますか?
通常の離婚と同じ手続きです。協議離婚が最もスムーズですが、揉めた場合は調停や裁判になります。事前に離婚時の条件を公正証書で取り決めておくことを強くおすすめします。
Q: 友情結婚していることは周囲にバレますか?
戸籍上は通常の婚姻と区別がつきません。友情結婚であることを周囲に伝えるかどうかは完全に当事者の判断です。
まとめ
友情結婚は、恋愛や性的関係を前提としない新しい結婚の形です。法的保護や社会的承認を得ながら、自分らしいパートナーシップを築くことができます。
友情結婚が向いている人:
- アセクシャル・アロマンティックで、人生のパートナーが欲しい人
- 同性パートナーがいるが、法的保護も得たい人
- 恋愛結婚にこだわらず、信頼関係ベースの家族を築きたい人
一方で、法的なリスクや感情の変化への対処など、事前に十分な準備と合意形成が欠かせません。専門の相談所やアプリを活用して、信頼できるパートナーを見つけることが成功の鍵です。
自分のセクシュアリティやパートナーシップの形に悩んでいる方は、まずセクシュアリティ診断で自分自身を知ることから始めてみてはいかがでしょうか。