偽装結婚とは?刑罰・手口・友情結婚との違いを解説
偽装結婚は刑法第157条に違反する犯罪行為であり、5年以下の拘禁刑が科されます。定義・罰則・典型的な手口・発覚パターンを解説し、合法な契約結婚・友情結婚との法的な違いをわかりやすく整理します。持ちかけられた場合の対処法やLGBTQの方が選べる合法な選択肢も紹介します。
偽装結婚は犯罪です。婚姻届を提出した時点で刑法第157条(公正証書原本不実記載罪)が成立し、刑事罰の対象になります。「書類だけの結婚なら問題ない」という認識は完全な誤りです。
偽装結婚の法的定義・罰則・典型パターンを整理し、合法な選択肢である契約結婚・友情結婚との違いを明確にします。
偽装結婚の定義と法的根拠
偽装結婚とは、婚姻意思がないにもかかわらず、別の目的のために婚姻届を提出する行為です。民法第742条により婚姻は無効となり、同時に刑法第157条第1項(公正証書原本不実記載等罪)に該当します。
戸籍という公正証書の原本に「虚偽の婚姻」を記載させる行為そのものが犯罪となるため、実害の有無は問われません。婚姻届を出した時点で罪が成立します。
罰則の内容
在留資格の不正取得が伴う場合は、入管法第70条(不法残留)や第74条の6(営利目的の在留資格等不正取得の援助)も適用されます。ブローカーが介在するケースでは、組織犯罪処罰法の適用も視野に入ります。
偽装結婚の典型パターン
偽装結婚の目的は大きく3つに分類されます。
パターン1 在留資格の取得
最も多いパターンです。日本人との婚姻により「日本人の配偶者等」の在留資格を取得することを目的とします。出入国在留管理庁は毎年、偽装結婚による在留資格の不正取得を摘発しています。
パターン2 保険金・社会保障の不正受給
配偶者として健康保険や年金の被扶養者資格を得るために婚姻届を出すケースがあります。生命保険の受取人に指定する目的の偽装結婚も報告されています。
パターン3 犯罪組織による身分偽装
犯罪収益の隠匿や、名義変更による捜査逃れの手段として偽装結婚が利用されるケースもあります。
偽装結婚・契約結婚・友情結婚の違い
3つの違いを正確に理解することが重要です。判断基準は「婚姻意思の有無」と「違法性」の2点に集約されます。
| 偽装結婚 | 契約結婚 | 友情結婚 | |
|---|---|---|---|
| 婚姻意思 | なし | あります | あります |
| 法的有効性 | 無効(民法第742条) | 有効 | 有効 |
| 違法性 | あり(刑法第157条) | なし | なし |
| 目的 | 在留資格取得・詐取等 | 生活ルールの明文化 | 友情・信頼ベースの共同生活 |
| 性的関係 | なし(目的が別) | 当事者の合意次第 | 原則なし |
| 恋愛感情 | なし | 問いません | 問いません |
| 離婚時の取り決め | なし | 契約書で事前に規定 | 当事者間で協議 |
- 違法 偽装結婚: 婚姻意思が存在せず、刑法第157条に該当します
- 合法 契約結婚: 当事者双方に「夫婦として共同生活を営む意思」があります
- 合法 友情結婚: 恋愛・性的関係を前提とせず、友情・信頼をベースとした正式な婚姻です
詳しくは契約結婚とは?および友情結婚とは?完全ガイドをご覧ください。
あなたの状況で考える
| あなたの状況 | 適切な対応 |
|---|---|
| 偽装結婚を持ちかけられた | 即座に断り、警察に相談しましょう。署名した時点で共犯になります |
| 友情結婚が偽装結婚に当たるか心配 | 当事者双方に「共同生活を営む意思」があれば合法です |
| 法的に合法なパートナーシップを探している | 友情結婚・契約結婚は合法な選択肢です |
偽装結婚が発覚するパターン
偽装結婚は高い確率で発覚します。入管当局と警察が連携して調査を行っており、以下が主な発覚経路です。
入管による実態調査
在留資格の更新・変更時に、同居実態・生活費の分担・コミュニケーションの頻度などが詳細に調査されます。近隣住民への聞き取りが行われることもあります。
関係者の通報・供述
ブローカーや当事者の一方が別件で逮捕された際に、偽装結婚の事実が供述から明らかになるケースが多いです。
生活実態の矛盾
- 住民票の住所と実際の居住地が異なる
- 公共料金の名義が片方のみ
- SNSに配偶者の存在が一切ない
こうした生活実態の矛盾から疑義が生じ、調査が開始されます。
よくある質問
Q: 偽装結婚を持ちかけられたらどうすればよいですか?
即座に断り、警察に相談しましょう。「名前を貸すだけ」「届を出すだけ」と言われても、婚姻届に署名した時点で共犯となります。よりそいホットライン(0120-279-338、24時間)でも相談できます。
Q: 友情結婚は偽装結婚にはなりませんか?
なりません。友情結婚は恋愛感情がなくても「共同生活を営む意思」がある婚姻であり、婚姻意思が存在します。偽装結婚は婚姻意思そのものが欠如している点で本質的に異なります。
Q: 偽装結婚の時効はいつですか?
公正証書原本不実記載等罪の公訴時効は5年です。ただし、在留資格の不正取得など他の犯罪が絡む場合は、それぞれの時効が別途適用されます。
Q: 恋愛感情がない結婚は全て偽装結婚になりますか?
なりません。日本の法律は婚姻に恋愛感情を要件としていません。当事者双方に「夫婦として共同生活を送る意思」があれば、法的に有効な婚姻として成立します。友情結婚・契約結婚はどちらも合法です。
Q: 友情結婚で法的保護を受けたいのですが、どこに相談すればよいですか?
友情結婚専門の相談所カラーズが最も実績があります。LGBTQ当事者のカウンセリング経験が豊富で、法的な疑問点にも対応しています。セクシャリティに関する悩みはよりそいホットライン(0120-279-338、24時間)でも相談できます。
Q: 友情結婚と偽装結婚の境界線はどこにありますか?
「夫婦として共同生活を送る意思があるかどうか」が境界線です。友情結婚では当事者双方が実際に同居・協力して生活することを目的としており、単に書類上の婚姻を利用する偽装結婚とは本質的に異なります。
偽装結婚に関わらないために知っておくべきこと
偽装結婚は刑法第157条に違反する犯罪行為であり、5年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科されます。「書類上の結婚」であっても、婚姻意思なく婚姻届を提出した時点で犯罪が成立します。
一方、契約結婚や友情結婚は婚姻意思のある合法的な婚姻形態です。恋愛感情や性的関係の有無と、婚姻の法的有効性は無関係です。


