PacePace
出会い

ゲイアプリ 最初のメッセージのコツ|例文12選

ゲイアプリの最初のメッセージが返ってこない理由は、文面ではなく相手の目的が割れているからです。当事者57名の調査でわかった目的の内訳、アプリ別に変わる1通目の型、NG→OK例文12選、顔写真を求められたときの返し方まで具体的にまとめました。

Pace編集部
シェア:

「よかったら仲良くしてください」——この一文を送り続けているなら、返信が来ないのは文章力のせいではありません。

何十件送っても既読すらつきません。プロフィールを書き直しても結果は変わりません。そこまで来ると、たいていの人は自分の顔写真を疑い始めます。ですが、ゲイアプリで1通目が止まる原因の大半は、容姿でも文章力でもなく、相手が何を求めているのかを確かめないまま送っていることにあります。

ゲイアプリの利用目的は1つではありません。当事者を対象にした調査では、目的は最低でも5つに割れていました。相手が求めているものと、あなたが送った1通目がずれていれば、どれだけ丁寧に書いても返信は来ません。

ゲイアプリの1通目は「マッチ後の挨拶」ではありません

一般のマッチングアプリ解説を読んでも、ゲイアプリで結果が変わらない理由がここにあります。前提にしている仕組みが違うからです。

一般向けの記事はほぼ全て、Tinderのような「相互にいいねを送ってマッチが成立してから、はじめてメッセージが送れる」スワイプ型を前提にしています。マッチが成立している時点で、相手はあなたのプロフィールを見たうえで「話してもいい」と判断済みです。だから1通目は挨拶で足ります。

一方、Grindr・9monsters・Hornet・Jack'd・SCRUFFといったグリッド型のゲイアプリでは、マッチという工程そのものがありません。近くにいる相手の一覧から、誰にでもいきなりメッセージが届きます。受け取る側は、あなたが誰で何を求めているのかを一切知らない状態で1通目を読みます。

この差は決定的です。スワイプ型の1通目は「すでに合意した相手への挨拶」ですが、グリッド型の1通目は「合意を取りに行く最初の交渉」です。挨拶だけを送っても、相手には判断材料が何もありません。

スマートフォンでメッセージを打ち込む手元とチャット画面

Grindrには、文章を送る前段階として「Taps」という機能もあります。公式ヘルプによれば、Tapsは「ふさわしい言葉を探すストレスなしに、気になる相手へ送れるアイスブレイク」で、Looking(紫の悪魔)・Hot(炎)・Friendly(吹き出し)の3種類が用意されています(Grindr Help Center「Taps」)。3種類に分かれていること自体が、目的の違いを最初に示す設計になっている点は覚えておいてください。

アプリ別・1通目が届く条件を徹底比較

使っているアプリによって、1通目に必要なものが変わります。設定や登録の手順はそれぞれの解説記事に譲り、ここではメッセージの条件だけを並べます。

アプリメッセージが届く条件文章の前に使える機能1通目で効くもの効かないものこんな人には向きません
Grindrマッチ不要・誰にでも即送信Taps(3種類)目的の明示+距離感の合図挨拶のみ、長文目的を言葉にしたくない人
9monstersマッチ不要・即送信ブリーディング(相性表示)相手のタイプ表示に触れる属性の詰問ゲーム的な機能が煩わしい人
HornetJack'dSCRUFFマッチ不要・即送信お気に入り・足あとプロフィール本文への具体的な言及コピペの一斉送信母数の少ない地方で急ぐ人
Tinder(同性設定)相互Likeでマッチ後スーパーライク短い挨拶+質問1つ目的の押し出しが強い文同性の候補が少ない地域の人
Bumble(同性)マッチ後・24時間以内時間制限を意識した即レス様子見の空メッセージ返信を寝かせたい人

グリッド型では、1通目に目的を書いても失礼になりません。むしろ書かないほうが、相手に判断の手間を押しつけることになります。スワイプ型では逆に、マッチ直後の1通目で目的を強く出すと警戒されます。同じ「コツ」が、アプリによって反転します。

返信が来ない最大の理由は、相手の目的が割れているからです

ゲイアプリはセックスのためのアプリだ、という前提で1通目を書いていませんか。あるいは逆に、その前提を避けようとして当たり障りのない挨拶だけを送っていませんか。どちらも、実際の分布とずれています。

文化人類学者の砂川秀樹氏が2022年に実施した調査では、ゲイアプリ利用者に「この一年の主な使用目的」を自由記述で尋ね、回答を5つのカテゴリーに分類しています。結果は次のとおりでした。

ゲイアプリの主な使用目的(回答者54名・複数回答)セックス14名恋人・パートナー14名閲覧・ひまつぶし12名友達10名連絡ツール10名出典: 砂川秀樹「日本のゲイアプリをめぐる多様な経験」国際ジェンダー学会誌 Vol.20(2022)※自由記述の回答を5カテゴリーに分類したもの。目的は同時に複数存在します
セックスが突出しているわけではなく、恋人・パートナーが同数で並びます

セックス14名に対し、恋人・パートナーが同じ14名。閲覧12名、友達10名、連絡ツール10名が続きます。あなたが1通目を送った相手は、5分の1程度の確率でしか「今すぐ会いたい人」ではありません。同じくらいの確率で恋人を探していて、同じくらいの確率でただ眺めているだけです。

回答者自身の言葉にも、その幅が表れています。

「会話のやり取り,友達作り,あわよくばリアルセックス」(54歳・東京)

出典: 砂川秀樹「日本のゲイアプリをめぐる多様な経験」国際ジェンダー学会誌 Vol.20(2022)

「出会い系アプリケーションだからエロを期待しがちだが,趣味や興味が合う友人を作ることができる」(54歳・沖縄)

出典: 砂川秀樹「日本のゲイアプリをめぐる多様な経験」国際ジェンダー学会誌 Vol.20(2022)

だからこそ、1通目に自分の目的を1行入れる価値があります。相手の目的と合わなければ、その時点でお互いに時間を使わずに済みます。合えば、次の1往復が一気に具体的になります。

実際に返信が来る1通目の型|NG→OK例文12選

型は4要素です。呼びかけ、相手の情報を1つ、自分の目的、答えやすい質問を1つ。この順番で3行以内に収めてください。

  • 呼びかけ — 「はじめまして」+自分の呼び名を1つ
  • 相手の情報を1つ — プロフィール本文か写真から、具体的な単語を必ず1語引く
  • 自分の目的 — 何を探しているのかを一言。断定でかまいません
  • 答えやすい質問を1つ — はい・いいえで終わらない、かつ考え込まずに答えられるもの

送りがちな1通目と、その書き換えを並べます。

NG(送りがちな1通目)返らない理由OK(書き換え例)
「はじめまして」だけ相手に返す材料がありません「はじめまして、タクといいます。プロフの登山、今年はどこか登られましたか」
「よかったら仲良くしてください」会話の終了宣言として読まれます「〇〇が好きと書かれていたので声をかけました。最近だと何が良かったですか」
「タイプです」外見の評価だけでは次が続きません「写真の雰囲気と、猫を飼っているところに惹かれました。何歳の子ですか」
「今から会える?」目的の合わない相手には即ブロックの対象です「今日この後ゆっくり話せる人を探しています。合わなければ流してください」
5行以上の自己紹介読む前に閉じられます3行に切り、残りはプロフィール本文へ移します
「よろしくお願いします🙇」だけ一斉送信の定型文と見分けがつきません呼びかけと相手の情報を必ず1つ足します
「顔写真ください」身バレを警戒する相手には脅威になります「自分の顔写真から先に送ります。難しければそのままで大丈夫です」
「なにしてますか?」同じ質問が何通も届いており埋もれます「プロフの〇〇、自分も最近始めました。どこで覚えましたか」
いきなりLINEやカカオのID身バレのリスクを相手に負わせますアプリ内で数往復してから、相手が出すのを待ちます
「ノンケですか?」など属性の詰問答えづらく、警戒されますプロフィールに書いてある範囲だけで判断します
同じ文面のコピペ一斉送信同じ文が相手の受信箱に並んでいます相手のプロフィールの単語を1語必ず入れます
返信前に2通目・3通目を追撃通知が続くと通報・ブロックの理由になります1通送ったら止めます。3日返らなければ次へ進みます

目的別に、そのまま使える形も置いておきます。

恋人・パートナーを探している場合

「はじめまして、リョウです。プロフの『長く続く関係を探している』に共感して連絡しました。自分も同じ探し方をしています。普段は週末どんな過ごし方をされていますか」

向かない人 会うまでの時間を短くしたい人。この型は返信までの往復が増えます

友達・話し相手を探している場合

「こんばんは、ケイといいます。〇〇(趣味)が同じで声をかけました。恋愛というより、同じ趣味で話せる人を探しています。〇〇はどのくらい続けているんですか」

向かない人 恋愛対象として見られたい人。友達枠として固定されやすくなります

まだ決めていない・話してから決めたい場合

「はじめまして。プロフの〇〇に惹かれました。正直、何を探しているかまだ決めきれていなくて、合いそうなら会う、合わなければ話し相手でも、くらいで考えています。〇〇はどうやって始めたんですか」

向かない人 はっきりした目的の相手を求めている人からは返信が来にくくなります

一般のマッチングアプリ記事をそのまま真似すると損をする3点

検索して上位に出てくる「最初のメッセージ」の記事は、ほぼ全てが異性間の出会いを前提に書かれています。参考になる部分と、当てはまらない部分を分けてください。

1つ目は、返信率のデータです。 大手の婚活メディアが公開している集計では、質問を含むメッセージの返信率94.29%に対し質問なしは93.04%、21〜80字が93.59%で最も高く81字以上は91.56%、返信までの中央値は女性から男性へが25.7分・男性から女性へが54.5分とされています(ラス恋・ラス婚研究所)。傾向として「質問を入れる」「短くする」は素直に使えます。ですが水準の数字は、受け取る側が女性であることを前提にした環境のものです。ゲイアプリは送り手も受け手も男性で、この非対称そのものが存在しません。数字の向きだけを借りて、絶対値は当てにしないでください。

2つ目は、目的の扱いです。 一般の記事は「1通目で目的を出すな」と揃って書きます。マッチが成立してから会話を積み上げる設計だからです。グリッド型のゲイアプリでは前述のとおり反転します。目的を書かない1通目は、相手に判断させる手間を丸投げしているだけです。

3つ目は、連絡先交換のタイミングです。 「1通目でLINEを聞くな」という助言は正しいのですが、理由が違います。一般の記事は「がっついて見えるから」と説明します。ゲイアプリでは、本名や交友関係が紐づくアカウントを渡すこと自体が身バレとアウティングのリスクに直結します。相手にとっても同じです。急がせる側になった時点で、警戒されます。

顔写真を求められたときの返し方|身バレとのトレードオフ

返信率を上げる最短の手段は顔写真です。同時に、最も失うものが大きい手段でもあります。この矛盾に当事者がどう向き合っているかは、実際の相談を読むのが早いです。

「ゲイアプリで、あんまり返信をもらえません。なんでだろう。やっぱり、顔を出した方がいいのかな。そりゃそうだよね。ハッキリした顔の写真を出してるカッコいい人に、風景の写真のアイコンの奴が話しかけても、相手にしてもらえないよね。でも…やっぱりなんか怖いな。こないだ、今使ってるのとは別のアプリで知り合いを見つけてしまったけど、それと同じ状況に自分がなると考えると…。」

出典: Yahoo!知恵袋

この質問に付いたベストアンサーと、別の回答者の提案は方向が異なります。

「そりゃ、顔出さないと。いざ、顔画像を送り、やっぱりタイプじゃない。みたいな事はありがちだから。だったら最初から出して、それでも来てくれる人とやり取りした方が余程効率はいいでしょ?最初から顔を出さないのは、壁をわざわざ増やしてる事になるよ。」

出典: Yahoo!知恵袋 ベストアンサー

「ここまで回答読んだけど、あとは顔は顔でも横顔だとか、雰囲気は伝わるけど特定は出来ない程度の画像出してみると良いかも!」

出典: Yahoo!知恵袋 回答

現実的な着地はこの3つ目です。全体公開のアイコンは特定できない範囲に留め、顔写真は1対1のやりとりの中でだけ渡します。Grindrにはそのための機能があり、公式ヘルプによればAlbumは写真10枚と動画1本まで登録でき、チャットを開始した相手にだけ共有され、共有はいつでも解除できます(Grindr Help Center「Albums」)。渡したあとで取り消せる設計は、身バレを警戒する側にとって重要です。

顔出しの可否は、あなたの状況によって答えが変わります。

あなたの状況全体公開のアイコン1通目で出すもの顔写真を渡すタイミング
カミングアウト済み・職場も把握顔写真で問題ありません顔写真+目的最初から
未カミングアウト・都市部在住横顔・後ろ姿・雰囲気写真「自分から先に送ります」の一文数往復して相手の人柄が見えてから
未カミングアウト・地方在住顔の写らない写真のみ文章の情報量で補います通話や対面の直前まで待って可
職業上、絶対に特定されたくない風景・物・シルエット目的と条件を文章で明確に渡さない選択も成立します
  • アイコンに勤務先・最寄り駅・部屋の特徴が写り込んでいませんか
  • 他のSNSで使ったことのある画像を流用していませんか(画像検索で紐づきます)
  • 渡した写真を取り消せる機能があるアプリかを確認しましたか
  • 相手から先に顔写真が来ていない段階で、こちらだけ送っていませんか
  • 写真を断ったときに態度が変わる相手を、無理に追いかけていませんか

返信が来ないときに切り分ける4つの点

文面を書き直す前に、どこで止まっているかを判定してください。順番があります。

  1. 母数 — 1日に届く候補が何人いますか。地方在住で候補が数十人なら、文面を100点にしても返信の絶対数は増えません。アプリを増やす判断が先です
  2. プロフィールと写真 — 1通目を読む前に、相手はあなたのプロフィールを開きます。ここが空欄なら、文面は読まれません
  3. 文面 — 4要素の型に入っていますか。目的が書かれていますか。3行を超えていませんか
  4. 相手の目的 — ①〜③が揃っても返らない相手は、単に目的が違います。閲覧目的の相手には何を送っても返信は来ません

ゲイ当事者のブログでは、返信が止まる典型としてこう指摘されています。

「このメッセージって一見するとポジティブなメッセージに見えるんですが、僕にはネガティブメッセージだと感じてしまいます。」「バイバイ!と同じようなメッセージ性というか、『じゃあまた機会があったら…』くらいのイメージです。」

出典: ゲイブロ「ゲイアプリで『よかったら仲良くしてください』って送るのをもうやめてみない?」

送った側は前向きなつもりでも、受け取る側には別れの挨拶として届いています。1通目の失敗はほとんどがこの種のずれで、直すのに文章力は要りません。

よくある質問

Q: 最初のメッセージは何文字くらいが適切ですか?

3行以内、目安として60〜120字に収めてください。異性間のデータでは21〜80字の返信率が最も高く、81字以上で下がる傾向が出ています。ゲイアプリでは目的を1行足すぶん、やや長めになると考えてください。

Q: 「よろしくお願いします」だけでも返信は来ますか?

来る相手もいますが、それはあなたの写真が刺さった場合だけです。文面が仕事をしていないため、写真の力で決まる勝負に自分を追い込むことになります。相手の情報を1語入れるだけで、返る相手の層が変わります。

Q: 既読無視されたら、もう一度送ってもいいですか?

送らないでください。通知が続くことは、通報やブロックの理由として実際に扱われます。1通送ったら止めて、3日返らなければ次の相手へ進むのが消耗しない運用です。

Q: 顔写真は最初から出したほうがいいですか?

カミングアウトの状況によります。職場や家族に知られたくない事情があるなら、全体公開のアイコンは特定できない範囲に留め、顔写真は1対1のやりとりの中で渡してください。Grindrのアルバム機能のように、渡したあとで共有を解除できる仕組みを使うと安全性が上がります。

Q: 1通目で目的を書くと引かれませんか?

グリッド型のゲイアプリでは逆です。相手はあなたが何を求めているのか分からないまま読んでいます。目的を書けば、合わない相手からの返信は減りますが、合う相手からの返信の質は上がります。目的が合わない相手との往復は、そもそも時間の損失です。

Q: 返信が来ないのは自分の容姿のせいですか?

まず母数と目的を確認してください。調査では利用目的の2割強が閲覧・ひまつぶしで、この層には誰が何を送っても返信は来ません。地方在住で候補が数十人なら、返信ゼロは容姿ではなく分母の問題です。容姿を疑うのは、母数・プロフィール・文面の3つを整えたあとで十分です。

今日から変える3ステップ

  1. 使っているアプリの型を確認する — グリッド型かスワイプ型かで、1通目に目的を書くかどうかが変わります
  2. 送信済みのメッセージを10件読み返す — 「はじめまして」「よろしくお願いします」だけの1通目が何件ありますか。そこが伸びしろです
  3. 次の1通に4要素を全部入れて送る — 呼びかけ、相手の情報を1つ、自分の目的、答えやすい質問を1つ。3行で止めます

1通目を変えても、返信率が劇的に変わるわけではありません。変わるのは、返ってきた相手との会話が続く確率です。目的をすり合わせた相手とだけ話すようになると、消耗が減ります。

次に読む

プロフィールと写真を先に整えたい

アプリを選び直したい

会うところまで進めたい

シェア:
ゲイマッチングアプリメッセージ例文9monstersGrindr

この記事を書いた人

Pace

Pace編集部

LGBTQ当事者のための実用的なライフスタイルメディア

関連する記事